こんにちは。THRIVEのしょうごです。
皆さんは「軒ゼロ住宅」ってご存知ですか?
最近流行っていて、「軒ゼロ住宅」を建てる方が増えていますね。
僕は大工歴が16年目で、今までいろいろな住宅の屋根を見てきました。
今回はそんな軒ゼロってどうなの?
というテーマでお話ししていきたいと思います。
家を建てる際に決めなければいけないデザインを一歩間違えると大変なことになってしまいます…
そうならないように、屋根の仕様についてメリット・デメリットを
- 軒ゼロタイプのメリット
- 軒ゼロタイプのデメリット
- 従来の軒の出のメリット
- 従来の軒の出のデメリット
この4つのポイントにまとめてみましたのでご紹介していきます。
失敗しない住宅造りの為にも、マイホーム計画をされている方に参考にしていただければと思っております。
マイホーム計画をされている方は是非最後まで読んでいってくださいね。
それでは始めていきましょう!
目次
軒(のき)とは何か?
まず最初に「軒(のき)」とは何か?というところから説明していきますね。
「軒(のき)」とは外壁から外へ出ている屋根の部分を表します。
↑ちょうどこの部分ですね。
大体の家にはある屋根の一部です。
軒ゼロ住宅とは?
上記で説明してきた軒を全く無しにしてしまうか、軒の出を短くしている住宅。
これを「軒ゼロ住宅」と呼びます。
最近は増えてきているので新築の住宅などでは見かけたこともあるのではないでしょうか?
↑例えばこんな感じの家なんかは軒ゼロ住宅になりますね。
軒(のき)の特徴
軒の特徴としては、夏の暑い日には日差しを遮り、家の中に日陰を作ることで少しでも涼しくする工夫や、雨の日にも縁側の窓を開けて風を通せるようにすることができます。
冬は斜めからの日差しを取り込み、室内を明るく暖かく保てるように出来ています。
軒の恩恵はしっかりあるんですね。
しかし、最近では高性能住宅が出てきたので外の日差しや寒暖の差に左右されにくくなり、
- 軒を長くとるよりもデザインを重視する
- 土地に対する建築面積を広げる
というような理由から軒の出を少なくすることを重視した設計が目立つようになっています。
という感じですね。
では、次はメリット・デメリットについて解説していきます。
①軒ゼロのメリット
まず、軒ゼロのメリットとしては下記の4点が挙げられます。
- シンプルでスタイリッシュなデザインになる
- 居住スペースをギリギリいっぱいに取れる
- 建築費用が抑えられる
- 室内が明るくなる
最近では、デザイン性を重視する住宅が増えてきたので、軒ゼロ多く採用されています。
フラットな屋根で、BOXのような箱型のシンプルな外観が好まれつつあり、昔ながらの瓦の三角屋根は少なくなってきています。
その分費用は少し安くなるので、デザインのことも考えて費用を抑えたい方には良いかもしれません。
また、間取りにもよりますが日陰にならない分自然光を取り込みやすくなりますので、照明をつけなくても良い時間帯が増えるかもしれませんね?
軒ゼロにはこのようなメリットがあります。
②軒ゼロのデメリット
一方で、デメリットはどうなのでしょうか。
軒がない分、僕が一番心配なのが劣化対策です。
雨や雪、日光など遮るものがない分いろいろな所に弊害が出てきます…
デメリットとしては下記の3点です。
- 外壁の劣化
- 室外機やエコキュートなどの外置きの機器には過酷は環境になることもある
- 雨や日光が窓から入り込む
というところですね。
デメリットについては個別に見ていきましょう。
デメリット①外壁の劣化
屋根を伝う水は水下側なら雨どいで受けられますが、外壁面が直接雨風にさらされるのが多くなる分劣化も早まります。
外壁に何かしらのひび割れや直接日光を受ける時間が長くなる為、外壁が劣化しやすくなり、特に紫外線に弱いシーリング材の傷みは雨漏りの原因になることがあります。
なので注意が必要ですね。
デメリット②室外機やエコキュートなどの外置きの機器には過酷は環境になることもある
やはり軒がない分、外置きの機器にも少なからず影響が出てくると思います。
エアコンの効きにも係わってきますし、雨風や日差しなどから守られている方が長持ちするかと思います。
外置きの機器を考えていらっしゃるなら検討は必要かもしれませんね。
デメリット②雨や日光が窓から入り込む
軒がないということは、強い雨でも室内に降り込んでしまうので、雨が降っている時には家全体を締め切ることになってしまいます。
また、強い日差しが直接室内に入ってくる為、床材などが日焼けしやすくなります。
全巻空調などを施してあれば、室内の空気の入れ替えなどは必要ありませんが、そうでなければ換気することも困難になります。
軒ゼロは雨漏りの対策を重視して考えなければいけない
また、軒ゼロは雨漏りの対策を重視して考えなければいけません。
対策方法としましては、窓に庇と言って小さな屋根を付けたりします。
それだけでも窓からの雨漏りを防ぐことができます。
- 雨どいは詰まらせることがないようにしましょう
オーバーフローさせてしまうと雨どいの意味がなくなってしまいますし、外壁にもよくありません。
周りに高い木々や葉っぱが枯れ落ちてしまう時期などは要注意ですよ。
外壁材を雨風に強いものを選ぶというのも大事になります。
僕はガルバリウム鋼板の中でも釘が正面から見えない施工方法のものを推奨しています。
窯業系のサイディングよりも長持ちすると思っていますし、メンテナンスのことを考えるならばオススメしたいものになります。
あとは雨水が外壁の裏側に伝わらないようにな施工をしっかり施すということです。
これをしっかりしなければ、建築費用をなどを抑えたのに、メンテナンスや修繕費がかかって元も子もないようなことになってしまいます…
建築店を選ぶ際には、施工などがしっかりとしている工務店やハウスメーカーなど、業者さんにもしっかりと説明していただけるような所を選んでください。
結構ここが大事になってきますので、しつこいようですが
- 軒ゼロで建てるならしっかりと施工を施す
という点を頭に入れておいてほしいと思います。
では、次に従来の軒の出のメリット・デメリットについても解説していきます。
③従来の軒の出のメリット
従来の軒の出にはどんなメリットがあるのかと言うと
- 軒の下をデッキにして軒下で洗濯物を干すことが可能
- 日差しを遮りながら外で涼むことができる
- 1階であれば、軒の出を長くして自転車やバイクを置くこともできる
という点が挙げられます。
また、2階の一部をバルコニーとする場合でも、軒下にバルコニーを設ける際、「インナーバルコニー」とすることにより洗濯物や布団を干すこともできますし、突然の雨でも多少の雨ならば心配もいりません。
↑インナーバルコニーはこんな感じの屋根付きのバルコニーのことですね。
特に、部屋の上にバルコニーが乗る形となる場合の「ルーフバルコニー」は雨漏りのリスクが高い為、軒を出してインナーバルコニーとすることで雨漏りのリスクが低減するというメリットもあります。
↑ルーフバルコニーは屋根を利用するのでバルコニー自体は屋根無しのものが多いです。
従来の軒の出にはこのようなメリットがあります。
④従来の軒の出のデメリット
デメリットなんですが、実はそんなにないんですよね。
あるとすればメリットの反対で
- 今流行りのシンプルでスタイリッシュなデザインではない
というところでしょうか。
後はそんなにデメリットというほどのことはありませんが、デザインを重視するならば屋根の形状や出幅というのは検討した方が良いのかもしれません。
という点が従来の軒の出のデメリットと言えるでしょう。
軒の出は考えられている仕様
軒の出があるということは、知らずにとても多くのメリットがある為、家が長持ちするように考えられていたのです。
その反面、デメリットはその分コストがかかってしまうぐらいですが、高温多湿な夏のある日本の風土にはとても適したものになります。
デザインやコストダウンにより、軒の出を無くす「軒ゼロ住宅」とすることを検討されているなら
- メリットが少なくなる
- 雨漏り対策
- 換気
ということについて必ずしっかりと考えられているところに任せた方が良いと思います。
軒ゼロ住宅はここ最近の増えてきた形なので、雨漏り対策もある程度は考えられていますが、不具合は多く報告されているようです…
雪が多く降る所にはオススメできない
僕が住む北陸地方や雪の多く降る所には、僕はあまりオススメできません。
屋根に積もった雪は、「雪止め」といって屋根の先だけ雪が落ちるように施工してあります。
雪は雨と違い、真下ではなく巻き込んでから下に落ちますので、軒の出がないと家に直接ダメージを与えてしまう恐れがあります。
最近は雪が降らないことも多いので、あまり気になりませんが大雪の日には注意が必要です。
そして、とにかく僕が重視しているのは
- 家の品質を守ること
ということです。
このようなことを踏まえまして、マイホームを計画する際の参考にしていただけると嬉しいです。
まとめ
今回は、今流行りの軒ゼロタイプについてメリット・デメリットを解説してきました。
流行りではありますが、デメリットも存在するということも頭に入れて計画していっていただければと思います。
デザインだけでは家の良し悪しを決められるものではないということですので、しっかりと計画して悩んでくださいね。
それがあなたの将来を大きく左右することになります。
というところで今回はここまでにしたいと思います。
今回の内容は動画でも解説していますのでよかったらそちらもご覧ください。
動画はこちら
少しでも参考になれば幸いです。
それではまた次回お会いしましょう。
ご覧いただきありがとうございました!